こんにちは、イマジカデジタルスケープの伊藤和博です。

今回からAfterEffects CS5.5の新機能をご紹介していきます。

まずは、AfterEffects CS5.5の中でも非常に話題性の高い強化機能、ワープスタビライザー(モーションスタビライズ)の機能をご紹介します。


スタビライザーとは?


スタビライザーとは、振動や衝撃などによる揺れを防ぎ、姿勢や体勢を安定させるための装置のことで、自動車や飛行機などの乗り物についているものです。AfterEffects上でのワープ(反り(そり)、捻れ(ねじれ)、歪み(ゆがみ))スタビライズとは、デジカムでのいわゆる「手ぶれ補正」のような機能のことで、ビデオカメラで撮影した動画のぶれを修正することができる機能です。

スタビライザ機能は、以前のAfterEffectsからありましたが、以前のスタビライザーとは別の機能として搭載され(以前の機能はそれとして使用することが可能です)、ほぼ全自動でスタビライズができるようになりました。



さっそく使ってみよう!


まずは、オリジナルのビデオを見てみましょう。手ぶれ補正せずに撮影したビデオです。
手ぶれ補正の無いデジカムや、一般的なデジ「カメ」などについている動画撮影機能で、カメラを動かしながら撮影すると概ねこのように撮影されるはずです。


このような手ぶれがわかるビデオをタイムラインに配置→そのレイヤーを選択し、アニメーションメニュー→モーションをスタビライズ、を選択します。
なお、トラッカーパネル内のスタビライズボタンをクリック、レイヤーを右クリックしてモーションスタビライズ、エフェクトメニュー→ディストーション→ワープスタビライズ、のいずれを選択しても同様の効果があります。



なんと、CS5.5ではこれらのスタビライズをほぼ自動で行ってくれるようになりました。

CS5.0までは、トラッカーパネルを使って、アタッチポイントを設定後、どのようにビデオが揺れているかを分析する必要がありました。(このトラッカーパネルの使い方は、イトウ先生のTips note【AfterEffects CS5】「モーショントラック」を参照してください。トラック後の適用先を他のレイヤーではなく、トラックしたビデオレイヤーそのものに適用すればOKです)

モーションスタビライズを選択すると、エフェクトコントロールパネルが表示され、バックグラウンドですぐビデオの分析が始まります。分析が始まると、「バックグラウンドで分析中(手順1/2)」→「スタビライズ中(2/2)」のバナーが表示され、これだけでスタビライズ完了です。



もちろん、バックグラウンドでの分析中に、他のレイヤーに対して別のエフェクトをかける、他の作業を行うことも可能です(要マシンパワーですが・・)。
ワープスタビライズが完了したビデオは以下の通りです。見た目にあまりわからないかもしれませんが、このブログの一番下にある比較ビデオを見ると、どれだけ手ぶれが補正されているかがすぐわかります。



結果を微調整するには?


このスタビライズを行った後、エフェクトコントロールパネルで、スタビライズ、境界線、詳細の各項目を設定することが可能です。どのように揺れているか?は、最初の「バックグラウンドで分析中(手順1/2)」の手順で終えているため、エフェクトコントロールパネルで再設定すると、都度「スタビライズ中(2/2)」の行程のみ行います。

またこのスタビライズは、ビデオソースのぶれ具合に応じて、ビデオのエッジ部分(ビデオ上下左右の境界線)が、コンポジションの外にはみ出し、コンポジションの背景が露出しますが、背景が露出しないようにするエッジの処理は、エフェクトコントロールパネル→境界線→フレームで行うことが可能です。

デフォルトでは「スタビライズ、切り抜き、自動スケール」になっており、この処理は、コンポジションの外にはみ出したエッジを切り抜き、ビデオソースを拡大してフレームを埋め直します。拡大の度合いは、同じくエフェクトコントロールパネル→境界線→自動スケール→最大スケール(デフォルトで150%)で調整可能です。なお、ぶれが大きいビデオの場合には、拡大率を上げることで、切り取られる領域を拡大しなければいけませんが、当然ながら拡大によって画質が劣化する可能性があります。




ぶれや歪みが大きい場合には?


ぶれが大きいビデオの場合には、エフェクトコントロールパネル→スタビライズ→補間方法をサブスペースワープ(デフォルト)から、「位置、スケール、回転」に変更してみましょう。サブスペースワープは、ぶれが大きい場合に、スタビライズ中に遠近を適用するため、キーストーン(奥行きがあるように見える歪み。四角形が平行四辺形や台形、ひし形のように歪む)が発生することがありますが、「位置、スケール、回転」はビデオの中にある被写体の「位置、スケール、回転」の変化とその度合いに基づいてスタビライズを行うため、極端なクオリティの劣化を防ぐことが可能です。




オリジナルと、ワープスタビライズを比較したビデオ


以下のビデオが、比較したビデオです。真ん中の白いパスを境に、左側がオリジナル、右側がワープスタビライズ後です。
こうして比較してみると、手ぶれの補正がよくかかっているのがよくわかると思います。





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