こんにちは、イマジカデジタルスケープの伊藤和博です。
今週は、先週に引き続き、AfterEffectsのエクスプレッションの機能についてご紹介します。

エクスプレッションとは、特定のレイヤーの、特定のトランスフォーム等の、単一の値を評価・設定する、JavaScriptをベースにした小さなスクリプトです。
エクスプレッションを使用すると、特定のレイヤーのトランスフォームに設定した値を他のレイヤーで参照し、他のレイヤーをアニメートすることが可能です。
例えば、あるレイヤーのポジションにキーフレームを設定すると、そのキーフレームは、他のレイヤーのポジショントランスフォームにも単純にコピーペーストすることで同じ動作をさせることが可能ですが、エクスプレッションを使用すると、元のレイヤーに設定したキーフレームの値を参照して、動かしたいレイヤーを元となるレイヤーから1秒遅らせてアニメーションを開始する、10pxずらしてアニメーションを開始する、などの設定を簡単に設定することが可能になります。
今回から何回かに分けて、エクスプレッションの使用例をご紹介していきます。


●さっそくやってみよう!


今回は、1つ上のレイヤーと同じ動きを、0.25秒遅れで行う、というエクスプレッションをご紹介します。
まずは、平面レイヤーにマスクを作成し、3秒間で左から右に移動し、5秒かけて不透明度が0になる、というアニメーションを作成します。このアニメーションは下から上、左から右など、どのようなアニメーションでもかまいません。



次に、平面レイヤーを複製し、位置のトランスフォームを表示・選択した後、アニメーションメニュー→エクスプレッションを追加、を選択します。


●transform.position


位置のトランスフォームにエクスプレッションを追加すると、デフォルトで「transform.position」と表示されます。
これは、【transformの、positionに】の意味で、このレイヤーのトランスフォームのポジションに何かを指定したい場合には、この文字に続けてどうしたいのか?を記述していきます。
今回は、一つ上にあるレイヤーの動きと同じ動きを0.25秒遅れで行う、というスクリプトを記述します。





thisComp.layer(thisLayer, -1).position.valueAtTime(time - .25)



thisComp:このコンポジションの、
layer(thisLayer, -1):このレイヤー(thisLayer)から数えて1つ上(マイナス1)のレイヤーの、
position:位置の、
valueAtTime(time - .25) :時間の値(value at time)を-0.25秒にする。



このスクリプトをつなげて読むと、【現在のレイヤーの位置トランスフォームを、「このコンポジションの中にある、1つ上のレイヤーの位置の-0.25秒後にする」】になります。数値を任意に変更してみると、2つ上のレイヤーを参照する、または、+5秒にする、など、いろいろな設定が可能です。


●レイヤーを複製する


レイヤーを複製すると、エクスプレッションでの記述が【1つ上のレイヤーの位置の-0.25秒後にする】になっているため、複製するだけで自動的に上のレイヤーの0.25秒後に同じ動作を反復するようになります。
星は最初の一つだけ作成し、複製したものにエクスプレッションを設定し、あとはそのレイヤーをcommand【Ctrl】+Dで複製するだけです。



以下がエクスプレッションをかけたレイヤーをいくつか複製し、テキストを合わせたものです(画質は落としてあります)。



JavaScriptの書き方を覚えると、どのようなメソッドが使えるかを覚えてしまえば、使い方はそれほど難しくはないと思いますので、ぜひJavaScriptにチャレンジしてみてください。




もっとAfterEffets CS5 の使い方を詳しく知りたい方は!
AfterEffets CS5 の使い方・基本トレーニング
JavaScriptの基礎知識の受講がオススメです!

▼AfterEffets CS5 の使い方・基本トレーニング

▼JavaScriptの基礎知識




イトウ先生が、Twitterを始めました!
みなさんもぜひ、フォローしてくださいね!

http://twitter.com/itoh_sensei




■■イトウ先生のTipsNote(実践・新機能コンテンツ)アーカイブ■■


基本トレーニングの受講後に、さらに学習しておきたい内容やTips、新機能を、隔週1回(月2回)で公開しています。


●Macintosh基本操作編(意外と知らない操作も多い!?)
○入力モードや変換のショートカット
○デスクトップで使えるショートカット
○階層やファイルパスの把握に便利な機能

●Illustrator(AI)
○アウトライン化と孤立点の削除について
○データを軽く作る方法について
○シンボルの親子関係について・その1
○編集モード
○シンボルの親子関係について・その2
○カラーパネルの「使えるショートカット」
○カラー一括変換のグローバルスウォッチとは
○配置した画像のすばやい編集方法
○CS5新機能01:すべてのアートボードにペースト
○CS5新機能02:内側描画と背面描画
○CS5新機能03:Web・インタラクション用のデザイン
○CS5新機能04:遠近描画
○CS5新機能05:線パネルと線幅ツール
○AIのテキストのアピアランス
○SVGインタラクティビティ

●Photoshop(PS)
○消しゴムツールの活用
○ななめの画像をまっすぐにする方法
○自然な合成テクニック・角版
○自然な合成テクニック・切り抜き画像
○画像合成後の便利なショートカット
○調整レイヤー
○レイヤーパネルの不透明度と塗りについて
○不透明度のショートカット
○CS5新機能01:「コンテンツに応じる」機能
○CS5新機能02:絵筆ブラシと混合ブラシ
○CS5新機能03:人の記憶に近い画像・HDRについて
○CS5新機能04:パペットワープ
○CS5新機能05:3Dオブジェクトとアニメーション
○美しいモノクロ画像の作り方
○境界部分をきれいにカラー変更する方法

●FLASH(FL)
○Illustratorだけでできる、Flashアニメ
○CS5新機能01:IKボーンスプリングでバネアニメ
○CS5新機能02:コードスニペットパネルで簡単ActionScript3.0
○CS5新機能03:パターン描画ツール
○CS5.5新機能01

●InDesign(ID)
○CS5新機能01:マルチステートを使った、IDからFlashアニメの作り方
○CS5新機能02:アニメーションパネルとタイミングパネルを使った、IDのモーションプリセット
○CS5新機能03:キャプションの自動作成機能
○CS5新機能04:オブジェクトの間隔と配置
○CS5新機能05:画像一括貼り替え
○CS5.5新機能01:EPUB書き出し
○CS5.5新機能02:アンカー付きオブジェクト

●Dreamweaver(DW)
○CS5新機能01:新しいサイト定義と、CSSスターターレイアウト
○CS5新機能02:HTML5 Pack
○CS5新機能03:スマートフォン検証・CSS3のメディアクエリー
○CS5新機能04:ブラウザ検証便利ツール・Adobe BrowserLabについて

●AfterEffects(AE)
○CS5新機能01:ロトブラシ
○CS5新機能02:新しい便利なショートカット
○CS5 パペットアニメーションと、時間反転キーフレーム
○CS5 ビデオや画像の型抜きについて「トラックマットとステンシルアルファ」
○CS5 動画の動きを捕らえて、他のレイヤーに適用する「モーショントラック」
○CS5.5 ワープスタビライザー
○CS5.5 ブラー・互換・タイムコード
○CS5.5 「シャドウを落とす・受ける」機能
○CS5.5 エクスプレッション・その1

●FireWorks(FW)
○CS5新機能01:Device Centralと連携した、スマートフォンのプロトタイプ
○CS5新機能02:divのタイル背景の強化
○レイヤーパネル

●その他
○Adobe Edge(Preview版)
○CS5.5:Adobe Audition「サウンドのカットとフェードイン、フェードアウトの設定」
○CS5.5:Adobe Audition「マルチトラックを使ったサウンド操作」