こんにちは、イマジカデジタルスケープの伊藤和博です。
CS6発売から1ヵ月ほど経ちましたでしょうか。。みなさん使っていますか?
CS6を使いだす前に、少々事前に覚えておかなければいけないことが結構あります。
例えば、DreamweaverやFireworksなどは、HTML5やCSS3等でのコーディングに遜色無く対応していることから、アプリケーション側で何をどのようにしているかの理解には、HTML5やCSS3等の事前の理解が必要になってきました。HTML5やCSS3でマークアップする、ということはJavaScriptの理解も合わせて必要になってきますので、言語系の知識を多少なりとも習得しておかないと、アプリケーション側で何をしているのか、の判断がつかなくなってしまいます。新しいDreamweaverやFireworksを使用する前に、あるいは使用しながらでも、ぜひ言語の勉強もあわせてがんばってみてください。

さて、ところで今週のブログになりますが、先週までは、Photoshop CS6 betaに関するネタをお送りしました。
今週は、言語系に絡めた内容で、AfterEffectsのエクスプレッションについて・その3をご紹介します。

今回は、バルジエフェクトを他のレイヤーのモーションパスを使って自由に動かすエクスプレッションをご紹介します。この使い方がマスターできると、直線的な動きしか設定できないエフェクトに対して、モーションパスに沿った動きを簡単に適用できるようになるため、ぜひマスターしてください。


●バルジとは?


バルジとは、「膨らみ」という意味で、指定した点の周囲でイメージを歪め、選択されたオプションに応じてイメージが手前または奥へ張り出して見えるようにするエフェクトです。任意のレイヤーに、エフェクトメニュー→ディストーション→バルジを設定すると、凹レンズ凸レンズ越しに見ているような歪みの効果をイメージに適用します。




バルジの中心に対してキーフレームを設定すると、バルジの中心がアニメーションするため、以下のような効果のムービーを作成することが可能です。




バルジの中心に対して、X座標Y座標の座標位置を指定しますが、バルジの中心のみにキーフレームを設定すると、直線的な移動にしかなりません。そこで、エクスプレッションを使用し、他のレイヤーのモーションパスを活用して、このバルジを曲線的に動かしてみます。


●さっそくやってみよう!


まず、任意のレイヤーに対してバルジを設定します。今回は、AfterEffectsというテキストレイヤーを作成し、そのテキストレイヤーにバルジを設定していますが、バルジの中心には、キーフレームは設定しません。エフェクトメニュー→ディストーション→バルジを設定しただけの状態にしておきます。
次に、バルジを設定したレイヤーの上に、もう一つ任意のレイヤー(平面レイヤー等)を作成し、ポジショントランスフォームを設定して、任意のモーションパスを作成します。レイヤー名を「pass」という名前にでもしておきます。




このレイヤーは、マスクをかけたり、サイズを変更したり等はいっさい必要ありません。ただ、バルジの中心をアニメートするためにモーションパスだけが必要なので、ただの平面レイヤーにポジションを設定し、曲線のモーションパスのみが生成できればそれで問題ありません。

次に、バルジを設定したレイヤーのバルジの中心に対して、エクスプレッションを追加します。エクスプレッションには、以下のように記述します。



thisComp.layer("pass").position



エクスプレッションの意味は、【バルジの中心を、このコンポジションの、passというレイヤーの、ポジション】にする、という意味になります。読んだまま、そのまんまの説明ですが、passの箇所はレイヤー名ですので、他のレイヤー名にしている場合は名前のみ変更すればOKです。




なお、以下のように記述する方法もあります。



fromWorld(thisComp.layer("pass").position)



このfromWorld()は、ワールド座標系からバルジの中心を取る、という意味になり、バルジの中心の位置を「コンポジションの座標値」から取得する(ワールド座標系)か、または「レイヤー」から取得する(ローカル座標系)かの違いです。fromWorld()を指定しない場合は、ローカル座標系から参照する意味となり、今回のpassのレイヤーのポジションと位置が一致することになります。


●レンダリング


実際にレンダリングする際には、モーションパスを指定したpassのレイヤーはモーションパスのみ必要で他の要素は必要ないため、バルジを指定したレイヤーのみソロ表示にしてレンダリング、またはモーションパスを指定したpassのレイヤーは非表示のままレンダリングします。
以下が、バルジの中心をモーションパスで動かしたサンプルです。キーフレームの間隔次第でイーズインイーズアウトも可能ですので、いろいろな表現が可能になります。




今回のこのエクスプレッションを使用すると、【直線的な動きしかできないエフェクトを、曲線的にかけたい場合のあらゆる箇所で有効】です。最初のキーを設定し、最後のキーを設定する、というだけの直線的な動きには全てこのエクスプレションを設定し、thisComp.layer("レイヤー名").positionを記述し、モーションパスのみを作成したレイヤーからそのバス情報のみ取得→モーションパスのレイヤーは非表示でレンダリング、で、あらゆる動きがそのモーションパスに同期させることが可能になります。
みなさんも、いろいろと試してみてくださいね。




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○CS5.5 エクスプレッション・その1
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○CS5.5 エクスプレッション・その3

●FireWorks(FW)
○CS5新機能01:Device Centralと連携した、スマートフォンのプロトタイプ
○CS5新機能02:divのタイル背景の強化
○レイヤーパネル

●その他
○Adobe Edge(Preview版)
○CS5.5:Adobe Audition「サウンドのカットとフェードイン、フェードアウトの設定」
○CS5.5:Adobe Audition「マルチトラックを使ったサウンド操作」