内容
誰でもどんなデバイスからでも情報や機能を利用できること=アクセシビリティが重要
この書籍は、ともすれば「規格や達成基準をどう理解し、サイトやサービスを準拠させるか」という実装面に目が向きがちだったアクセシビリティ関連の従来の書籍と一線を画します。「特別な取り組みをせず、普通に戦略・要件策定→情報設計→ビジュアルデザイン→実装・コーディングを行うことが達成基準を満たすことにつながる」ということを、具体的に制作を進める中でつまづく疑問(Q)と解決手段(A)を通じて解説します。書かれている内容は、良質なユーザー体験を生むためのノウハウです。これまでWebアクセシビリティに足が遠のきがちだった方にもぜひお読みいただきたいと思っています。
解決手段は実在するサイト事例をもとに解説
アクセシビリティのさまざまな誤解を解くには、納品ベースのクオリティで、どのような解決手段があるのか具体的に説明することが必要です。本書では、ユーザーが使いづらい&困った状況は下の写真のようにイラストで、解決策は200以上の実例を引用して解説しています。その中には、著者の2人が所属するBA(ビジネス・アーキテクツ)での先進な取り組みも数多く含まれています。
推薦コメント:株式会社インフォアクシア 代表取締役 植木 真様
アクセシビリティというと、ガイドラインへの対応が目的となってしまいがちです。しかし、ユーザーの利用環境が多様化するなか、私たちが目指すべきはより多くのユーザーが使えるようにすることであり、海外ではアクセシブルなユーザー体験(AUX)という視点が提唱されています。本書は、アクセシビリティをコンテンツの品質基準として位置づけ、まさにそのAUX視点でのデザインプロセスを理解・実践するために必読の一冊です。
目次
- 第1章 サイトを作る前に
- 第2章 戦略の策定
- 第3章 要件定義
- 第4章 ナビゲーション設計
- 第5章 インタラクション設計
- 第6章 システム設計
- 第7章 コンテンツ設計
- 第8章 ビジュアルデザイン
- 第9章 実装
お詫びと訂正
読者の皆様、ならびに関係者の皆様に深くお詫び申し上げるとともに、この場で訂正させていただきます。
●P064 図3のキャプション
【誤】左から3点目「ハブ&スポーク型」、4点目「ウェブ型」
【正】左から3点目「ウェブ型」、4点目「ハブ&スポーク型」
●P264 本文
【誤】定義リストのdl要素は
【正】dl要素は
HTMLのdl要素は、元々は定義リスト (definition list) とされていましたが、HTML5では再定義されており、連想リスト (association list) あるいは記述リスト (description list) であるとされています。本書のこの記述はHTMLのバージョンに依存しない文脈になっていますが、本書は全体として最新のHTMLを扱うポリシーで書かれていますので、HTML4までの定義を採用した記述は適切ではありません。とはいえ、ここはHTML5であることにこだわっている部分でもなく、dl要素が何であるかという議論は文脈とあまり関係ありませんので、単に「dl要素は」とさせていただきます。ご指摘ありがとうございました。
●P288 WCAG 2.0 と本書内容の対照表
【誤】1.2.9 音声のみ(収録済)
【正】1.2.9 音声のみ(ライブ)
【誤】1.4.6 コントラスト(収録済)
【正】1.4.6 コントラスト(高度)
【誤】1.4.9 文字画像(収録済)
【正】1.4.9 文字画像(例外なし)
【誤】2.1.3 キーボード(収録済)
【正】2.1.3 キーボード(例外なし)